【庵治石】大丁場&庵治産地
屋島から庵治石「大丁場」と庵治産地を望む。

「庵治石(あじいし)」が採れるのは、瀬戸内海に面した香川県高松市の北東部です。霊峰・五剣山の北西で採掘されています。「大丁場」は、60万㎡の広さを誇り、約500年は採掘されてきていますが、この先何百年も採り続けていけるだけの豊富な量があると言われています。「庵治石」は、「花崗岩のダイヤモンド」とも言われ、世界で最高級と称されています。正式名称は「黒雲母細粒花崗閃緑岩(くろうんもさいりゅうかこうせんりょくがん)」です。

「庵治石細目」のお墓さん

「庵治石」の魅力は、何よりもその美しさ。独特の「斑(ふ)」と呼ばれるかすり模様が、独特の風格や存在感を与えます。そして、もう1つの魅力はその硬さ。また、鉱物が緻密に結合されていることによる硬い石質は、細かい細工や彫刻を可能にし、磨けば磨くほど深みのある艶が出てきます。岩石の分類としては、火成岩に属し、約8000万年前に、地中深くでマグマがゆっくりと冷え固まって生成された深成岩の一種です。主成分は、石英・長石で、少しの黒雲母を含んでいます。四国八十八ヶ所霊場の第八十五番札所「八栗寺」がある五剣山の山麓で算出されることから、弘法大師ゆかりのご利益の高い石としても重宝されてきました。

庵治石」の魅力は、石が採掘されるところから、「お墓さん」が出来上がるまで、「庵治産地」という1つの地域でたくさんの職人さんが協力して作っているところだと思っています。見学に来てくだされば、全ての工程を見ていただけるし、どんな職人さんが作っているのかを見ていただくことができます。職人さんは、みんなちょっとシャイで寡黙な方が多いのですが、本当に真摯に、真面目に仕事に取り組んでくださっている素敵な方々です。

「庵治石」特有の「斑(ふ)」の美しさ

「庵治石」の一番の特徴として、「斑(ふ)」という模様があります。「斑」という漢字は、「まだら」、「色の濃淡」、「異なる色がまじるさま」という意味。庵治石を磨くと薄墨を筆で置いたような独特のまだら模様が現れ、「斑が浮く」と表現されます。指先で押さえたような模様、湿気を与えたような模様、潤いを帯びたような模様、二重のかすり模様、けむりのような模様…など、さまざまな表現があります。この「斑」について、地元の大学の先生にお願いして、実際に見ていただいた上で尋ねてみたのですが、なぜこの模様が現れるかは分からないそうです。不思議なのは、すべての庵治石にこの「斑が浮く」わけではなく、最高級とされる大丁場の石でも全てに美しい斑が現れるわけではなく、不思議な謎とも言われています。

庵治石の一番の特徴は「斑(ふ)」

「大進石材」さんの「庵治石細目」は、すべての「庵治石」の中でも、最も「斑」がキレイな石とされています。石の全体の色は、日が経つにつれてだんだんと白っぽくなっていくのですが、しっかりと「斑」が残ることから、年月が経った後に見たときに、最も「庵治石」らしい石として評価されています。

「庵治石」の種類

庵治石細目
庵治石中目

「庵治石」が採掘される場所は「丁場」と呼ばれています。「丁場」は、大きく4つに分かれていて、大丁場、中丁場、野山丁場、庵治地区と呼ばれています。その「丁場」ごとに採れる石は様々で、目の細かさ(含有する構成物質の大小)によって「細目」や「中目」と呼ばれています。きちっと2種類に分かれるのではなく、「庵治石」の種類は200種類以上ある…といわれるほど、採れる場所によって全く違う石といってもいいほどで、細かい石から粗い石まで様々。「細目」や「中目」の間くらいのものを「中細目」と呼ばれることもあります。

庵治石の原石を割る職人さん
庵治石の原石を割る職人さん

 「石は自然のもの。練って作るもんやない。」といううちの親方の名言があります。特に「庵治石」は、目の細かさに加え、石の色、斑の浮き具合など、一口に「庵治石」といっても表情は本当に様々で、全てが違う…といっても過言ではありません。それが「庵治石」の良さであり、職人を悩ませる難しさでもあります。

つまり、「庵治石」を見るときの大切なポイントは、「どこの『丁場』で産出されたものか?」ということ。出来上がった時の美しさはもちろんですが、日が経った後の美しさも、評価のポイントとなり、石が評価されています。キレイだとされている「丁場」の原石と、そうでない「丁場」の原石は、当たり前ですが、評価によって全く金額が違います。ぜひどこの「丁場」の石なのか…ということもぜひ考えてみてください。

「大丁場」とは?

庵治石が採掘される「大丁場」

 庵治産地にある全部で4つの「丁場」のうち、最も埋蔵量が多く、良質の「庵治石」が採れるとされているのが「大丁場」です。

 歴史は古く、採掘が始まったのは今から450年以上前。「大丁場」は、江戸時代には高松藩の「御用丁場」とされていました。庵治石の中でも、極上と言われる「細目」のうちの7〜8割がこの「大丁場」から産出されています。「松原等石材店」の「庵治石細目」は、この「大丁場」の中でも、最も品質が評価されている「大進石材」さんの丁場から採掘された「庵治石細目」を中心に扱っています。

庵治産地にある全部で4つの「丁場」のうち、最も埋蔵量が多く、良質の「庵治石」が採れるのが「大丁場」です。歴史は古く、採掘が始まったのは今から450年以上前で、江戸時代には高松藩の「御用丁場」とされていました。庵治石の中でも、極上と言われる「細目」のうちの7〜8割がこの「大丁場」から産出されています。「松原等石材店」の「庵治石」は、この「大丁場」の中でも、最も品質が評価されている「大進石材」さんの丁場から採掘されたものを中心に扱っています。

 「大丁場」に実際に上がって見てみると、本当に壮大な景色に圧倒されます。石を採掘している岩盤が大きくそびえ立っている風景も去ることながら、「大丁場」から見える屋島や瀬戸内海といった風景は本当に雄大です。

 「庵治石細目『松原等石材店』」では、「大丁場&庵治産地見学ツアー」を随時開催しております。「大丁場」の山の上で庵治石を採掘しているところを見学したり、たくさんの職人さんで「お墓さん」を作っている様子を見学したりすることができます。ご都合の良い時がありましたら、ぜひ見学にお越しください!

庵治石・大丁場から瀬戸内海を望む。
庵治石「大丁場」から瀬戸内海を望む。

「庵治石」の歴史

「庵治石」は、古くは、平安時代に京都の石清水八幡宮の再建に使われたことが記録として残っています。その後、天正時代以降に、大阪城や高松城の築城に伴って本格的に採掘が始まったといわれています。そして、江戸時代に、讃岐藩松平家の御用丁場として管理され、屋島東照宮が造営された時には、従来の石工だけでは足りなかったことから、和泉国の石工が招集されて工事が行われました。今も石材関係の職人さんに多い、和泉氏や、太田氏は、その時に招集された石工の子孫だと言われています。

明治時代には東京や大阪のレールの敷板として使われました。また、旧香川県庁や皇居、須磨離宮、伏見桃山陵など、多くの重要建造物に用いられています。そして、大正から戦前には、採石と加工が分業化され、高い石材加工技術が発展していきました。

 「庵治石」の特徴を調べていると「風化に強い。」ということが挙げられます。屋島東照宮で使われている石、古い石像や「お墓さん」などを見ると、角が立ち、細部がキレイに残っているものが多いことからも、「古い石を見れば分かる。」と職人が口を揃えます。なぜ、「風化の強いのか?」ということについては、硬さや吸水率の話がよく出てきますが、調べた結果「ねばさ(靱性)」が大きく影響していることが分かってきました。このことについては。こちらの資料をご覧ください。
「庵治石」はなぜ風化に強いのか?

参考文献:「庵治石の魅力教えます」日本石材工業新聞社

「庵治石」の「お墓さん」ができるまで

挽き割り
 大きな原石を回転する大きな鋸で、数センチずつ挽いていきます。鋸の種類も、大きなものから小さなものまであり、石の大きさに合わせて、製品の大きさまで小さくしていきます。

磨き
 回転する砥石を使って、粗い目の砥石から、細かい目の砥石まで7~8工程を経て、きれいな艶が出るまで磨いていきます。

役物加工
 役物(やくもの)とは、特別な形のもののこと。角ばった石から、さまざまな形を作り上げていきます。職人の確かな技で細かな細工を施していきます。

手磨き
 機械では磨けない細かな細工が施された部分は、「ポリッシャー」と言われる道具を使って、職人の手できれいな艶が出るまで磨いていきます。機械による「磨き」同様、多くの工程を要します。
字彫り
 磨きあがった石に必要な字を彫っていきます。「サンドブラスト」という技術で、ゴムを字の形にくり抜いたものを石に貼り、大きさや深さに合わせ、職人が小さな砂を吹き当てて彫り上げていきます。
荷造り
 仕上がった石は、細かく確認をした後、石ごとにナイロン製の縄を使って荷造りされていきます。お墓として建てられるまで、欠けやすい石の角を守るための大切な工程です。
建前 お墓を建てるのは「建前師」と呼ばれる専門の職人です。長年お参りいただけるように、とても丁寧に、かつきれいに仕上げていきます。

よくある質問

Q1.「『庵治石』はもう採れないと聞きました。採れないんですか?」

庵治石の原石のストック
庵治石の原石はたくさんあります!

A1.時々、聞く話です。庵治産地を見にきてくださるとすぐに分かりますが、庵治石はまだまだ採れるし、たっぷり石があります。ご安心ください。

 見にきていただければすぐに分かりますが、すでに採掘された原石のストックも大量にあります。そして、まだ採掘されていない石については「大丁場」だけでも、広さは60万㎡の広さを誇り、これまで約500年採掘されていますが、この先、何百年もとり続けていけるだけの豊富な量があると言われています。

 まだまだ大丈夫です。よければ実際に見にきていただければ一目瞭然です。案内させていただきますので、ぜひ産地にお越しください!

Q2.「『庵治石』は、なぜ高価なんですか?」

縦に割ろうとしたけれど…まっすぐに割れず、
横に入っているのキズで割れてしまった原石

A2.「庵治石」が高価になる理由は大きく2つあります。

1つ目の理由は、「庵治石」は「キズが多い」ということです。「キズが多い」ことで、加工が難しく手間がかかります。「庵治石」はキズの多さから、原石から墓石として流通するのは、全体の約3%と言われています。

1つの「お墓さん」を作ったら、少なくともその30倍の石が廃棄され、墓石以外の埋め立てなどに利用されている…ということになります。その3%の中に「細目」や「中目」があり、「斑」の浮き具合もさまざまです。つまり、「庵治石細目」で、キレイな「斑」が浮いているものは、ごくわずかとなり、希少で値段が高くなってしまいます。

実際に加工をしていても、大きな原石にキズが出てしまって、大半が使えなかったり、磨いた後にキズが見つかったりすることがあります。ほとんど出来上がってから、キズが見つかることもあり、全てがやり直し…ということもめずらしくありません。

そして、2つ目の理由は「石目や色の濃さがさまざまである。」ということです。同じような場所で採れた石でも、色の濃さが違ったり、数cm違うだけで石目が変わってしまったりすることがよくあります。なので、「お墓さん」全体の石目や色の濃さを合わせようとすると、丁場にお願いして何度も原石を取り替えたり、幾つも製品を作っておいたものを組み替えたりしながら、全体の雰囲気を合わせていく必要があります。このように1つの「お墓さん」を作るのに、多くの原石を必要とするのが事実です。これら「庵治石」だからこその加工の難しさと手間から、出来上がる「お墓さん」は希少性が高く、どうしても高価になってしまうのです。

Q3.「大丁場」や庵治産地の見学をしてみたいです。どうすればできますか?

「庵治石細目『松原等石材店』」は、「大丁場」で採掘をしてくださっている「大進石材」さんと長年の関係があるので、いつでも「大丁場」を案内することが可能です。

特に、平日でしたら、大丁場や庵治産地の職人さんの仕事も実際にみていただくことができます。美味しいおうどんもよかったら。できるだけご都合に合わせて案内させていただきますので、まずは問い合わせフォームLINE公式アカウントからお問い合わせください!

「大丁場」で石を割る職人さん

庵治石細目「松原等石材店」について

心を入た最後の工程「荷造り」

「松原等石材店」の扱う「庵治石細目」は、庵治産地の中でも最も評価の高いとされる「大丁場」の「大進石材」さんの原石です。「大進石材」さんの石の良さは3つあります。

1つ目は「目が安定している」ことです。目のばらつきが少なく、どの面を見てもキレイな目合いで、比較的キレイに揃いやすいことが特徴です。

2つ目は「年月が経った後の美しさ」です。出来上がってすぐはもちろんのこと、年月が経って、全体の色が冷めてきた時も「斑」がしっかりと残り、庵治石独特の雰囲気が際立つと評価されています。

3つ目は「原石が高価」だということです。「大進石材」さんの原石は、地元でも評価が高い石です。それゆえ、すべての丁場の中でも最も高価な原石になっています。

そんな「大進石材」さんの石ですが、親方である「ひとっさん」が長年、どんな石の状況であっても、大きな原石をそのまますべて買い、できる限りムダなく使い切る…という扱い方を続けてきたことで「大丁場」の「大進石材」さんとの関係が深く、よい条件で原石を扱うことができています。そのため、最も評価の高いとされる「庵治石細目」を、キレイに揃えられ、しかも扱いやすい価格で提供することができます。

そして、庵治石細目「松原等石材店」では、加工はすべて産地の職人さんにお願いしています。「庵治石」はキズが多く、加工が難しい石です。そのため、庵治産地以外での加工はリスクが高く、加工はすべて庵治産地の職人さんが手掛けています。「松原等石材店」は、ひとっさんと3代目の2人の小さな店。なので、加工はすべて各工程の専門の職人さんにお願いする分業のスタイル。各工程、こだわりの職人さんのこだわりの加工になります。

庵治石細目「松原等石材店」3代目 より

 「庵治石」について、いろんなことを説明をしてきましたが、いかがだったでしょうか?おそらく実際に見にきていただくことが、「庵治石」を理解する最も近道だと思います。「大丁場」の空気感、そして「庵治産地」の職人の温度感は、実際に見ていただかないと分からないこともたくさんあると思っています。いつでも案内させていただきますので、ぜひ覗きにきてください! 

これからもしっかりと心を入れて「庵治石」の「お墓さん」を作っていきます。「庵治石」の産地にぜひ遊びにきてくださいね。どうか、いつの日かみなさんとお会いできること、楽しみにしております!

【3代目のプロフィール】
約20年続けた小学校教諭を辞め、庵治石細目「松原等石材店」に弟子入り。石屋になってから、先輩に勧められて始めた「朝の『お参り』」を毎日続けている。ここ3年ほど、息子たちと一緒に「お参り」を続けており、真摯に手を合わせる息子たちの姿を通して、「お参り」が子どもたちにとって、本当に素晴らしい効果があることを確信。教育や心理学の視点から見た「お参り」素晴らしさについて、SNSやnote、Youtubeなどで発信を続けている。NHK「サラメシ」、NHK「小さな旅」出演。

 また、約20年にわたって「子どもたちにライジャケを!」という「ライフジャケット」のことを伝える活動を続けている。現在、香川県「学校における水難事故防止教育推進事業」研究推進委員。2022年には「JOLA2022(ジャパンアウトドアリーダーズアワード2022)において特別賞&優秀賞を受賞、同年に絵本「かっぱのふうちゃん」(子どもの未来社)を出版するなど、全国にメッセージが広がっている。

「子どもたちにライジャケを!」https://lifejacket-santa.com/

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